上つ毛野可保夜が沼のいはゐつら
引かばぬれつつ我をな絶えそね
- 歌の意味
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上野の可保夜が沼のいわいづるのように、引いたならすなおに寄って来て、私との仲を絶やさないでおくれ。
- 鑑賞
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巻第十四 東歌 3416
詞書は前の歌に続き「相聞」
可保夜が沼のいわいづるのように、引けばするすると寄って来て、私との仲を絶やさないでほしいと願う歌である。沼の蔓草に、素直に寄り添ってくれる相手を求める思いが託されている。
上野国歌の一首である。武蔵国歌の第三千三百七十八首「入間道の於保屋が原のいはゐつら引かばぬるぬる我にな絶えそね」と酷似しており、同じ民謡が国を越えてうたわれていたことを示す。
作者は未詳である。東歌は東国の人々の間でうたわれた歌とされ、方言をまじえた素朴でおおらかな表現が特色である。
初句「上つ毛野」は上野国の古名で、上野国歌の一首として始まる。
二句「可保夜が沼の」は所在未詳の沼で、伊香保の沼とする説もある。
三句「いはゐつら」は蔓草の一種とされ、第三千三百七十八首と同じ語である。初句からここまでが序詞となる。
四句「引かばぬれつつ」の「ぬれ」は「ぬる」で、するすると寄るさまとされる。第三千三百七十八首の「ぬるぬる」にあたる。
結句「我をな絶えそね」の「な…そね」は禁止の願いで、第三千三百七十八首の結句とほぼ同じ形である。
いはゐつら:蔓草の一種とされる
ぬる:するすると抵抗なく寄る
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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上つ毛野伊香保の沼に植ゑ小水葱 かく恋ひむとや種求めけむ
- 次の歌
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上つ毛野伊奈良の沼の大藺草 外に見しよは今こそまされ