上つ毛野佐野田の苗のむら苗に
事は定めつ今はいかにせも
- 歌の意味
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上野の佐野の田の苗の群れ苗のように、占いで事は決めてしまった。今となってはどうしようか。
- 鑑賞
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巻第十四 東歌 3418
詞書は前の歌に続き「相聞」
佐野の田の苗の群れによって占いをして、事をすでに決めてしまった今、もうどうしようもないとうたう歌である。苗を用いた占いで二人の結婚などを定めたとも解され、決めてしまった後の迷いがのぞいている。
上野国歌の一首である。第三千四百六首に続いて佐野の地名を詠む。「むら苗」を苗による占いと解する説がある。
作者は未詳である。東歌は東国の人々の間でうたわれた歌とされ、方言をまじえた素朴でおおらかな表現が特色である。
初句「上つ毛野」は上野国の古名で、上野国歌の一首として始まる。
二句「佐野田の苗の」は佐野の田の苗で、第三千四百六首の「佐野の茎立ち」に続いて佐野が詠まれる。
三句「むら苗に」の「むら苗」は群がって生えた苗とされ、苗を用いた占いとかかわるとする説がある。
四句「事は定めつ」は事はもう決めてしまったの意で、「つ」は完了である。四句切れである。
結句「今はいかにせも」の「せも」は「せむ」の東国方言で、今はどうしようかと思い惑って結ぶ。
さのだ:佐野の田
むらなへ:群がって生えた苗とされる
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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上つ毛野伊奈良の沼の大藺草 外に見しよは今こそまされ
- 次の歌
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伊香保せよ奈可中次下思ひどろ くまこそしつと忘れせなふも