下つ毛野阿蘇の川原よ石踏まず
空ゆと来ぬよ汝が心告れ
- 歌の意味
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下野の安蘇の川原を、石も踏まずに空を飛ぶように来たのだ。お前の気持ちをはっきり言っておくれ。
- 鑑賞
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巻第十四 東歌 3425
詞書は前の歌に続き「相聞」
安蘇の川原の石を踏む間も惜しんで、空を飛ぶように急いでやって来たのだから、お前の本心を告げてくれと迫る歌である。逢いに来た勢いのままに、相手の気持ちを確かめようとする率直さがある。
左注に「右二首下野国歌」とあり、下野国歌の二首目である。安蘇は下野国安蘇郡で、現在の栃木県佐野市付近とされる。
作者は未詳である。東歌は東国の人々の間でうたわれた歌とされ、方言をまじえた素朴でおおらかな表現が特色である。
初句「下つ毛野」は前歌と同じ初句で、下野国の歌が続く。
二句「阿蘇の川原よ」の「よ」は経由を表し、安蘇の川原を通っての意である。上野国歌の第三千四百四首にも「安蘇」の地名が見える。
三句「石踏まず」は石も踏まずにの意で、飛ぶように急いだことを示す。
四句「空ゆと来ぬよ」の「ゆ」は経由で、空を通って来たように来たのだよの意である。四句切れである。
結句「汝が心告れ」の「告れ」は告げよの意の命令形で、相手の本心を求めて結ぶ。
のる:告げる、口に出して言う
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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下つ毛野みかもの山のこ楢のす まぐはし子ろは誰が笥か持たむ
- 次の歌
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会津嶺の国をさ遠み逢はなはば 偲ひにせもと紐結ばさね