筑紫なるにほふ子ゆゑに陸奥の
可刀利娘子の結ひし紐解く
- 歌の意味
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筑紫にいる美しい娘のために、陸奥の可刀利の娘が結んでくれた紐を解くことだ。
- 鑑賞
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巻第十四 東歌 3427
詞書は前の歌に続き「相聞」
遠い筑紫の美しい娘に心ひかれ、ふるさと陸奥の可刀利の娘が結んでくれた紐を解いてしまうという歌である。防人として筑紫へ赴いた男の心変わりをうたったものと解され、陸奥と筑紫という国土の両端の対比が鮮やかである。
陸奥国歌の一首である。前歌の「紐結ばさね」と本歌の「結ひし紐解く」とが、結ぶと解くの対照をなして並んでいる。
作者は未詳である。東歌は東国の人々の間でうたわれた歌とされ、方言をまじえた素朴でおおらかな表現が特色である。
初句「筑紫なる」の「なる」は所在を示し、九州の筑紫をいう。陸奥国歌に遠い筑紫が詠まれる。
二句「にほふ子ゆゑに」の「にほふ」は色美しく照り映える意で、「ゆゑに」はそのためにの意である。
三句「陸奥の」は東北地方の陸奥で、初句の筑紫と国土の両端として対比される。
四句「可刀利娘子の」の「可刀利」は地名とされ、ふるさとの娘をいう。
結句「結ひし紐解く」は結んでくれた紐を解くことで、前歌の「紐結ばさね」と結ぶと解くの対をなす。
にほふ:色美しく照り映える
をとめ:若い娘
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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会津嶺の国をさ遠み逢はなはば 偲ひにせもと紐結ばさね
- 次の歌
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安達太良の嶺に伏す鹿猪のありつつも 我れは至らむ寝処な去りそね