遠江引佐細江のみをつくし
我れを頼めてあさましものを
- 歌の意味
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遠江の引佐細江のみおつくしのように、私に頼みに思わせておいて、浅はかなことであったのに。
- 鑑賞
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巻第十四 東歌 3429
詞書「譬喩歌」
引佐細江のみおつくしのように、相手が自分を頼りにさせておきながら、実は浅い心であったと恨む歌である。水路の標識であるみおつくしに、頼りにしたものの浅さを重ねている。
本歌から譬喩歌の部に入る。左注に「右一首遠江国歌」とある。引佐細江は浜名湖の北東部の入江で、現在の静岡県浜松市北区細江町付近とされる。
作者は未詳である。東歌は東国の人々の間でうたわれた歌とされ、方言をまじえた素朴でおおらかな表現が特色である。
初句「遠江」は遠江国で、譬喩歌の部の一首目として国名で始まる。
二句「引佐細江の」は浜名湖の北東の入江をいう。
三句「みをつくし」の「みをつくし」は水路を示すために立てた杭で、「澪」は浅い水路をいう。初句からここまでが序詞である。
四句「我れを頼めて」の「頼めて」は頼みに思わせての意である。
結句「あさましものを」の「あさまし」は浅はかだの意で、みおつくしの立つ浅い水に掛ける。「ものを」は逆接の詠嘆である。
みをつくし:水路を示すために立てた杭
たのむ:頼みに思わせる(下二段)
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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安達太良の嶺に伏す鹿猪のありつつも 我れは至らむ寝処な去りそね
- 次の歌
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志太の浦を朝漕ぐ船はよしなしに 漕ぐらめかもよよしこさるらめ