足柄のわを可鶏山のかづの木の
我をかづさねも門さかずとも
- 歌の意味
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足柄の可鶏山のかづの木のように、私を誘い出しておくれ。門を開けずとも。
- 鑑賞
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巻第十四 東歌 3432
詞書は前の歌に続き「譬喩歌」
足柄の可鶏山のかづの木の名に寄せて、私を誘い出してほしい、門を開けなくてもと願う歌である。「かづ」の音を繰り返す言葉遊びが中心となった、民謡らしい一首である。
相模国の譬喩歌の一首である。「かづの木」はヌルデの木とされる。難解な語句が多く、解釈は定まらない部分がある。
作者は未詳である。東歌は東国の人々の間でうたわれた歌とされ、方言をまじえた素朴でおおらかな表現が特色である。
初句「足柄の」は相模国の足柄で、前歌と同じ初句である。
二句「わを可鶏山の」の「わを」は私をの意で、可鶏山の名の「かけ」に「心をかける」意を響かせる。
三句「かづの木の」の「かづの木」はヌルデの木とされ、「かづ」の音から次の句を導く。初句からここまでが序詞である。
四句「我をかづさねも」の「かづさね」は誘い出してくださいの意とされ、「も」は詠嘆である。
結句「門さかずとも」の「門さかず」は門を開けずにの意とされ、「かづ」の音を繰り返して結ぶ。
かづのき:ヌルデの木とされる
かづす:誘い出す意とされる
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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足柄の安伎奈の山に引こ船の 後引かしもよここばこがたに
- 次の歌
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薪伐る鎌倉山の木垂る木を 松と汝が言はば恋ひつつやあらむ