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上つ毛野阿蘇山つづら野を広み
延ひにしものをあぜか絶えせむ

歌の意味
上野の安蘇山のつづらは、野が広いので長く延びてしまったのに、どうして絶えることがあろうか。
鑑賞
巻第十四 東歌 3434

詞書は前の歌に続き「譬喩歌」
 安蘇山のつづらが広い野にどこまでも延び広がっているように、深く結ばれた二人の仲がどうして絶えようかとうたう歌である。這い広がる蔓草に、根深い恋の確かさを託している。
 本歌から三首が上野国の譬喩歌で、左注に「右三首上野国歌」とある。安蘇は上野国歌の第三千四百四首、下野国歌の第三千四百二十五首にも見える地名である。
 作者は未詳である。東歌は東国の人々の間でうたわれた歌とされ、方言をまじえた素朴でおおらかな表現が特色である。

 初句「上つ毛野」は上野国の古名で、上野国の譬喩歌の一首目として始まる。
 二句「阿蘇山つづら」は安蘇山に生えるつづらで、つる草をいう。
 三句「野を広み」の「を…み」は理由で、野が広いのでの意である。
 四句「延ひにしものを」の「延ひにし」は延び広がってしまったの意で、「ものを」は逆接である。
 結句「あぜか絶えせむ」の「あぜか」はどうしての意の東国方言で、反語によって絶えようかと結ぶ。

つづら:つる草
はふ:延び広がる
出典
万葉集
前の歌
薪伐る鎌倉山の木垂る木を 松と汝が言はば恋ひつつやあらむ
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伊香保ろの沿ひの榛原我が衣に 着きよらしもよひたへと思へば