都武賀野に鈴が音聞こゆ可牟思太の
殿のなかちし鳥猟すらしも
- 歌の意味
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都武賀野に鈴の音が聞こえる。可牟思太のお屋敷の次男坊が鷹狩りをしているらしい。
- 鑑賞
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巻第十四 東歌 3438
詞書「雑歌」
都武賀野に響く鷹の鈴の音を聞いて、可牟思太の殿の次男が鷹狩りをしているらしいと推し量る歌である。土地の有力者の子息の華やかな狩りの様子を、遠くから聞こえる鈴の音でとらえている。
本歌から雑歌の部に入り、ここから巻末までは国名の記されない歌が並ぶ。巻末の左注に「以前の歌詞は、未だ国土山川の名を勘へ知ること得ず」とある。左注に或本の歌として、初句を「美都我野に」、四句を「若子し」とする伝えを記す。
作者は未詳である。東歌は東国の人々の間でうたわれた歌とされ、方言をまじえた素朴でおおらかな表現が特色である。
初句「都武賀野に」は所在未詳の野で、雑歌の部の一首目として地名で始まる。
二句「鈴が音聞こゆ」は鷹の尾につけた鈴の音で、六音の字余りである。二句切れである。
三句「可牟思太の」は所在未詳の地名で、土地の豪族の住む所とされる。
四句「殿のなかちし」の「殿」は屋敷、またその主人で、「なかち」は次男、「し」は強意である。或本では「若子し」とある。
結句「鳥猟すらしも」の「鳥猟」は鷹狩りのことで、「らし」は推定である。音を根拠に推し量る点で、巻頭近くの第三千三百四十九首「波立つらしも」と同じ結びである。
なかち:次男
とがり:鷹狩り
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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陸奥の安達太良真弓はじき置きて 反らしめきなば弦はかめかも
- 次の歌
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鈴が音の早馬駅家の堤井の 水を給へな妹が直手よ