この川に朝菜洗ふ子汝れも我れも
よちをぞ持てるいで子給りに
- 歌の意味
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この川で朝の菜を洗っている娘さん、あなたも私も同じ年ごろの子を持っている。さあ、あなたの子をいただきに行こう。
- 鑑賞
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巻第十四 東歌 3440
詞書は前の歌に続き「雑歌」
川で朝菜を洗う女性に、お互いに同じ年ごろの子を持っているのだから、あなたの子を私の子の嫁にいただきたいと呼びかける歌である。宴席などでうたわれた戯れの歌とみられ、明るいユーモアがある。
雑歌の一首である。本文に「一に云ふ、ましも我れも」と三句の異伝を注する。
作者は未詳である。東歌は東国の人々の間でうたわれた歌とされ、方言をまじえた素朴でおおらかな表現が特色である。
初句「この川に」は目の前の川をさし、場の情景から始まる。
二句「朝菜洗ふ子」の「朝菜」は朝食用の菜で、六音の字余りである。
三句「汝れも我れも」は相手と自分を並べる句で、六音の字余りである。異伝では「ましも我れも」とある。
四句「よちをぞ持てる」の「よち」は同じ年ごろの子とされ、「ぞ」は係助詞で連体形「る」と呼応する。
結句「いで子給りに」の「いで」はさあの意、「給り」はいただくの意で、子をいただきにと結ぶ。
あさな:朝食用の菜
よち:同じ年ごろの子とされる
たばる:いただく
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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鈴が音の早馬駅家の堤井の 水を給へな妹が直手よ
- 次の歌
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ま遠くの雲居に見ゆる妹が家に いつか至らむ歩め我が駒