うらもなく我が行く道に青柳の
張りて立てれば物思ひ出つも
- 歌の意味
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何の気なしに私が行く道に、青柳が芽吹いて立っているので、物思いがわき起こってしまったことだ。
- 鑑賞
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巻第十四 東歌 3443
詞書は前の歌に続き「雑歌」
何気なく歩いていた道に青柳が芽吹いて立っているのを見て、ふと故郷や恋人への物思いがわき起こったという旅の歌である。春の柳の新鮮な緑が、不意に心を揺さぶるさまが描かれている。
雑歌の一首である。柳は都や故郷を思わせる景物としてしばしば詠まれ、別れの際に柳の枝を手向ける習俗もあった。
作者は未詳である。東歌は東国の人々の間でうたわれた歌とされ、方言をまじえた素朴でおおらかな表現が特色である。
初句「うらもなく」の「うら」は心で、何の気なしにの意である。
二句「我が行く道に」は自分の歩いて行く道をいう。
三句「青柳の」は芽吹いた柳で、春の景物である。
四句「張りて立てれば」の「張り」は芽が出ることで、「ば」は確定条件である。
結句「物思ひ出つも」の「物思ひ出つ」は物思いがわいたの意で、「も」は詠嘆である。
うら:心
はる:芽が出る、芽吹く
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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東道の手児の呼坂越えがねて 山にか寝むも宿りはなしに
- 次の歌
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伎波都久の岡のくくみら我れ摘めど 籠にも満たなふ背なと摘まさね