伎波都久の岡のくくみら我れ摘めど
籠にも満たなふ背なと摘まさね
- 歌の意味
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伎波都久の岡のにらを私が摘んでも、籠にもいっぱいにならない。それならいとしい人と一緒にお摘みなさい。
- 鑑賞
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巻第十四 東歌 3444
詞書は前の歌に続き「雑歌」
伎波都久の岡でにらを摘んでも籠がいっぱいにならないと嘆く娘に、それならいとしい人と摘みなさいとはやし立てる歌である。野で働く人々の掛け合いの中でうたわれた、明るくにぎやかな民謡と考えられる。
雑歌の一首である。伎波都久の岡は常陸国真壁郡、現在の茨城県桜川市付近とする説がある。上の句と下の句で問答をなす掛け合いの歌とみられる。
作者は未詳である。東歌は東国の人々の間でうたわれた歌とされ、方言をまじえた素朴でおおらかな表現が特色である。
初句「伎波都久の」は所在未詳の地名で、常陸国とする説がある。
二句「岡のくくみら」の「くくみら」は茎の立ったにらをいう。
三句「我れ摘めど」は私が摘んでもの意で、「ど」は逆接である。
四句「籠にも満たなふ」の「籠」は摘んだ草を入れるかご、「なふ」は打消の東国方言である。
結句「背なと摘まさね」の「背な」はいとしい人、「さね」は尊敬と勧めで、一緒に摘みなさいとはやして結ぶ。
くくみら:茎の立ったにら
こ:かご
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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うらもなく我が行く道に青柳の 張りて立てれば物思ひ出つも
- 次の歌
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港の葦が中なる玉小菅 刈り来我が背子床の隔しに