- 歌の意味
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いとしいあの子が使う川の船着き場のささら荻を、葦だと人々が噂して言い寄っているらしい。
- 鑑賞
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巻第十四 東歌 3446
詞書は前の歌に続き「雑歌」
恋人が使う川の船着き場に生える荻を、人々が葦だと言い立てているように、あの子のことを悪く噂しているらしいと案じる歌である。「葦」に「悪し」を掛けて、恋人への中傷を気にかける心が表されている。
雑歌の一首である。「葦」と「悪し」を掛ける発想は、常陸国歌の第三千三百九十一首の「葦穂山悪しかるとがも」にも見られる。
作者は未詳である。東歌は東国の人々の間でうたわれた歌とされ、方言をまじえた素朴でおおらかな表現が特色である。
初句「妹なろが」の「なろ」は親しみを表す東国方言の接尾語である。
二句「使ふ川津の」の「川津」は川の船着き場をいう。
三句「ささら荻」の「ささら荻」は小さな荻とされる。初句からここまでが序詞である。
四句「葦と人言」の「葦」に「悪し」を掛ける掛詞で、「人言」は世間の噂である。
結句「語りよらしも」の「語りよらし」は言い寄るらしいの意とされ、「も」は詠嘆である。
かはづ:川の船着き場
ささらをぎ:小さな荻とされる
ひとごと:世間の噂
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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港の葦が中なる玉小菅 刈り来我が背子床の隔しに
- 次の歌
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草蔭の安努な行かむと墾りし道 安努は行かずて荒草立ちぬ