草蔭の安努な行かむと墾りし道
安努は行かずて荒草立ちぬ
- 歌の意味
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安努へ行こうとして切り開いた道なのに、安努には行かないで、荒れた草が生い茂ってしまった。
- 鑑賞
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巻第十四 東歌 3447
詞書は前の歌に続き「雑歌」
安努へ通おうとして切り開いた道も、結局行かずじまいで荒草が生い茂ってしまったとうたう歌である。通わなくなった恋の道を、荒れた新道にたとえたものと解されている。
雑歌の一首である。安努は駿河国の浮島沼付近とする説などがあり、所在は定まらない。
作者は未詳である。東歌は東国の人々の間でうたわれた歌とされ、方言をまじえた素朴でおおらかな表現が特色である。
初句「草蔭の」は「安努」にかかる枕詞とされ、草の陰になった野の意を含む。
二句「安努な行かむと」の「な」は「に」にあたる東国方言とされ、安努に行こうとの意である。
三句「墾りし道」の「墾りし道」は切り開いた道で、信濃国歌の第三千三百九十九首の「今の墾り道」と同じ「墾り道」の語である。
四句「安努は行かずて」の「ずて」は打消の東国方言で、行かずにの意である。二句の「安努」を繰り返す。
結句「荒草立ちぬ」の「荒草」は荒れた雑草で、「立ちぬ」は生い茂ってしまったの意である。
くさかげの:「安努」にかかる枕詞とされる
はる:土地を切り開く
あらくさ:荒れた雑草
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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妹なろが使ふ川津のささら荻 葦と人言語りよらしも
- 次の歌
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花散らふこの向つ峰の乎那の峰の ひじにつくまで君が代もがも