白栲の衣の袖を麻久良我よ
海人漕ぎ来見ゆ波立つなゆめ
- 歌の意味
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白い衣の袖を枕にするという名の麻久良我から、漁師が漕いで来るのが見える。波よ、決して立つな。
- 鑑賞
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巻第十四 東歌 3449
詞書は前の歌に続き「雑歌」
麻久良我から漁師の船が漕いで来るのが見えるので、波よ決して立たないでくれと願う歌である。船の無事を祈る心が、海辺の人々の素朴な情として表されている。
雑歌の一首である。麻久良我は下総国の古河付近とする説があり、本巻の第三千五百五十五首、第三千五百五十八首にも「麻久良我の許我」が詠まれる。
作者は未詳である。東歌は東国の人々の間でうたわれた歌とされ、方言をまじえた素朴でおおらかな表現が特色である。
初句「白栲の」は「衣」にかかる枕詞である。
二句「衣の袖を」は衣の袖をの意で、袖を枕にすることから「麻久良我」を導く。初句と二句が序詞的に地名を導く。
三句「麻久良我よ」は地名の麻久良我で、「まくら」の音に枕を掛ける。「よ」は経由を表す。
四句「海人漕ぎ来見ゆ」は漁師が漕いで来るのが見えるの意で、四句切れである。
結句「波立つなゆめ」の「な」は禁止、「ゆめ」は決しての意で、武蔵国歌の第三千三百七十六首の「色に出なゆめ」と同じ結びの形である。
しろたへの:「衣」などにかかる枕詞
まくらが:地名。「枕」を掛ける
あま:漁師
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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花散らふこの向つ峰の乎那の峰の ひじにつくまで君が代もがも
- 次の歌
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乎久佐男と乎具佐受家男と潮舟の 並べて見れば乎具佐勝ちめり