おもしろき野をばな焼きそ古草に
新草交り生ひは生ふるがに
- 歌の意味
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趣のある野を焼かないでおくれ。古い草に新しい草が交じって、自然に生い茂るように。
- 鑑賞
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巻第十四 東歌 3452
詞書は前の歌に続き「雑歌」
心ひかれる野を焼かないでほしい、古い草に新しい草が交じって自然に生えてくるようにと願う歌である。野焼きの習俗を背景に、古いものと新しいものが共に育つ姿を慈しむ心が表れている。
雑歌の一首である。春の野焼きの場でうたわれた歌とされ、古い恋人と新しい恋人を草にたとえた歌とみる説もある。
作者は未詳である。東歌は東国の人々の間でうたわれた歌とされ、方言をまじえた素朴でおおらかな表現が特色である。
初句「おもしろき」の「おもしろき」は心ひかれる、趣のあるの意である。
二句「野をばな焼きそ」の「な…そ」は禁止で、野を焼くなという。二句切れである。
三句「古草に」は枯れた古い草をいう。
四句「新草交り」は新しく芽吹いた草が交じることで、三句と対をなす。
結句「生ひは生ふるがに」の「がに」はするようにの意で、自然に生い茂るようにと結ぶ。字余りの句である。
ふるくさ:枯れた古い草
にひくさ:新しく芽吹いた草
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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左奈都良の岡に粟蒔き愛しきが 駒は食ぐとも我はそとも追じ
- 次の歌
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風の音の遠き我妹が着せし衣 手本のくだりまよひ来にけり