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うちひさす宮の我が背は大和女の
膝まくごとに我を忘らすな

歌の意味
都の宮仕えをしているあなたは、大和の女の膝を枕にするたびに、私のことを忘れないでください。
鑑賞
巻第十四 東歌 3457

詞書は前の歌に続き「相聞」
 都へ宮仕えに上った夫に、大和の女の膝を枕にするたびに私のことを忘れないでほしいと訴える妻の歌である。都の女性への嫉妬と、忘れられることへの不安が率直に表されている。
 相聞の一首である。東国から都の宮仕えに上る者を送る妻の歌で、相模国歌の第三千三百六十三首「我が背子を大和へ遣りて」と同じ状況がうたわれる。
 作者は未詳である。東歌は東国の人々の間でうたわれた歌とされ、方言をまじえた素朴でおおらかな表現が特色である。

 初句「うちひさす」は日の光が輝く意で「宮」にかかる枕詞である。
 二句「宮の我が背は」は宮仕えをしている夫をいう。
 三句「大和女の」は大和の女で、東国の妻と対比される都の女性である。
 四句「膝まくごとに」の「膝まく」は膝を枕にすることで、「ごとに」はそのたびにの意である。
 結句「我を忘らすな」の「忘らす」は忘れなさるの意、「な」は禁止で、忘れないでと結ぶ。

うちひさす:「宮」にかかる枕詞
まく:枕にする
出典
万葉集
前の歌
うつせみの八十言のへは繁くとも 争ひかねて我を言なすな
次の歌
汝背の子や等里の岡道しなかだ折れ 我を音し泣くよ息づくまでに