汝背の子や等里の岡道しなかだ折れ
我を音し泣くよ息づくまでに
- 歌の意味
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いとしいあなたよ、等里の岡の道が途中で折れ曲がるように、来ることが途絶えて、私は声をあげて泣くことだ。息もつけないほどに。
- 鑑賞
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巻第十四 東歌 3458
詞書は前の歌に続き「相聞」
恋人よ、等里の岡の道が途中で折れるように通いが途絶えてしまい、自分は息が詰まるほど声をあげて泣いているとうたう女性の歌である。途絶えた逢瀬への嘆きが、激しい泣き声として表されている。
相聞の一首である。等里は所在未詳の地名とされる。相模国歌の第三千三百六十二首にも「我を音し泣くな」の句がある。
作者は未詳である。東歌は東国の人々の間でうたわれた歌とされ、方言をまじえた素朴でおおらかな表現が特色である。
初句「汝背の子や」の「汝背」は夫や恋人を親しんで呼ぶ語、「や」は呼びかけで、六音の字余りである。
二句「等里の岡道し」は等里の岡の道で、「し」は強意である。
三句「なかだ折れ」の「なかだ折れ」は途中で折れ曲がることとされ、通いが途絶えることを重ねる。
四句「我を音し泣くよ」の「音し泣く」は声をあげて泣く意で、第三千三百六十二首と同じ語である。
結句「息づくまでに」の「息づく」はため息をつく、息が詰まるの意で、それほどまでにと結ぶ。
なせ:夫や恋人を親しんで呼ぶ語
をかぢ:岡の道
なかだをれ:途中で折れ曲がることとされる
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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うちひさす宮の我が背は大和女の 膝まくごとに我を忘らすな
- 次の歌
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稲つけばかかる我が手を今夜もか 殿の若子が取りて嘆かむ