ま愛しみ寝れば言に出さ寝なへば
心の緒ろに乗りて愛しも
- 歌の意味
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いとしさのあまり共寝をすれば噂になる。共寝をしないでいると、心にかかって離れずいとしいことだ。
- 鑑賞
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巻第十四 東歌 3466
詞書は前の歌に続き「相聞」
共寝をすれば噂になり、しなければ恋しさが心から離れないと、どちらにしても苦しい恋の板挟みをうたう歌である。噂と恋心との間で揺れる心が、対句的な構成で表されている。
相聞の一首である。相模国歌の第三千三百六十六首と同じ「ま愛しみ」の初句で始まる。
作者は未詳である。東歌は東国の人々の間でうたわれた歌とされ、方言をまじえた素朴でおおらかな表現が特色である。
初句「ま愛しみ」の「み」は理由で、いとしさのあまりの意である。第三千三百六十六首と同じ初句である。
二句「寝れば言に出」の「言に出」は噂になることで、二句切れである。
三句「さ寝なへば」の「なへ」は打消の東国方言で、共寝をしないでいるとの意である。
四句「心の緒ろに」の「緒ろ」は緒で、「ろ」は東国方言の接尾語である。心の緒にかかることをいう。
結句「乗りて愛しも」は心に乗って離れずいとしいの意で、「も」は詠嘆である。
ことにづ:噂になる、言葉に出る
こころのを:心の緒、心の奥
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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高麗錦紐解き放けて寝るが上に あどせろとかもあやに愛しき
- 次の歌
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奥山の真木の板戸をとどとして 我が開かむに入り来て寝さね