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山鳥の峰ろのはつをに鏡懸け
唱ふべみこそ汝に寄そりけめ

歌の意味
山鳥の尾の端に鏡をかけて神に唱えるように、人々が言いはやしたからこそ、お前と噂されたのだろう。
鑑賞
巻第十四 東歌 3468

詞書は前の歌に続き「相聞」
 鏡をかけて神に祈りを唱えるように、人々がはやし立てたからこそ自分はお前と噂されたのだろうとうたう歌である。神事の言葉を借りて、噂によって結びつけられた恋を表している。
 相聞の一首である。難解な語句が多く、山鳥の尾に鏡をかけるとは山鳥の雌雄が峰を隔てて鏡に映る姿で慕い合うという伝説にもとづくとする説もある。
 作者は未詳である。東歌は東国の人々の間でうたわれた歌とされ、方言をまじえた素朴でおおらかな表現が特色である。

 初句「山鳥の」は「峰ろのはつを」を導く語で、山鳥は雌雄が峰を隔てて寝るとされた。
 二句「峰ろのはつをに」の「峰ろ」は尾、「はつを」は尾の端の意とされ、山鳥の尾をいう。
 三句「鏡懸け」は鏡をかけての意で、神事とかかわるとされる。
 四句「唱ふべみこそ」の「唱ふ」は唱える、言いはやす意、「べみ」は「べし」の語幹に「み」がついた形で、「こそ」は係助詞である。
 結句「汝に寄そりけめ」の「寄そり」は噂で結びつけられること、「けめ」は「こそ」の結びの過去推量である。

はつを:尾の端の意とされる
となふ:唱える、言いはやす
よそる:噂で結びつけられる
出典
万葉集
前の歌
奥山の真木の板戸をとどとして 我が開かむに入り来て寝さね
次の歌
夕占にも今夜と告らろ我が背なは あぜぞも今夜寄しろ来まさぬ