相見ては千年やいぬるいなをかも
我れやしか思ふ君待ちがてに
- 歌の意味
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逢ってから千年もたったのだろうか。いや、そうではないのか。私だけがそう思うのか。あなたを待ちかねて。
- 鑑賞
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巻第十四 東歌 3470
詞書は前の歌に続き「相聞」
逢ってから千年もたったような気がするが、そんなはずはない、待ちかねる自分だけがそう感じるのだろうかとうたう女性の歌である。待つ時間の長さを千年と誇張し、自問を重ねて恋しさを表している。
本文に「柿本朝臣人麻呂歌集に出づ」と注がある。常陸国歌の第三千三百五十一首と同じく「いなをかも」の句を三句に置き、問いを重ねる構成である。巻十一にも類歌がある。
作者は未詳である。東歌は東国の人々の間でうたわれた歌とされ、方言をまじえた素朴でおおらかな表現が特色である。
初句「相見ては」は逢ってからの意で、前回の逢瀬を起点とする。
二句「千年やいぬる」の「や」は疑問の係助詞で、連体形「ぬる」と呼応する。
三句「いなをかも」はいや、そうではないのかの意で、第三千三百五十一首と同じ句である。
四句「我れやしか思ふ」の「しか」はそのようにの意、「や」は疑問である。
結句「君待ちがてに」の「がてに」はできずにの意で、待ちかねての意である。倒置によって理由を最後に示す。
いぬ:過ぎ去る
しか:そのように
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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夕占にも今夜と告らろ我が背なは あぜぞも今夜寄しろ来まさぬ
- 次の歌
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しまらくは寝つつもあらむを夢のみに もとな見えつつ我を音し泣くる