しまらくは寝つつもあらむを夢のみに
もとな見えつつ我を音し泣くる
- 歌の意味
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しばらくは眠っていられるだろうに、夢にばかりむやみに現れて、私を声をあげて泣かせることだ。
- 鑑賞
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巻第十四 東歌 3471
詞書は前の歌に続き「相聞」
しばらくは眠っていられるはずなのに、恋人が夢にばかりむやみに現れて泣かせると嘆く歌である。夢にまで現れる恋しさと、現実に逢えない苦しさとが重なっている。
相聞の一首である。結句は相模国歌の第三千三百六十二首の或本の歌の結句「我を音し泣くる」と同じである。
作者は未詳である。東歌は東国の人々の間でうたわれた歌とされ、方言をまじえた素朴でおおらかな表現が特色である。
初句「しまらくは」の「しまらく」はしばらくの意である。
二句「寝つつもあらむを」は眠っていられるだろうにの意で、八音の字余りである。「を」は逆接である。
三句「夢のみに」の「夢」は「いめ」と訓む古形である。
四句「もとな見えつつ」の「もとな」はむやみに、わけもなくの意である。
結句「我を音し泣くる」は声をあげて泣かせるの意で、第三千四百五十八首の「我を音し泣くよ」とも通う。
しまらく:しばらく
いめ:夢の古形
もとな:むやみに、わけもなく
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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相見ては千年やいぬるいなをかも 我れやしか思ふ君待ちがてに
- 次の歌
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人妻とあぜかそを言はむしからばか 隣の衣を借りて着なはも