人妻とあぜかそを言はむしからばか
隣の衣を借りて着なはも
- 歌の意味
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人妻だからといって、どうしてそんなことを言うのか。それならば、隣の人の衣を借りて着ないというのか。
- 鑑賞
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巻第十四 東歌 3472
詞書は前の歌に続き「相聞」
人妻だからといってなぜ手を出してはいけないと言うのか、それなら隣の衣を借りて着ることもしないのかと開き直る歌である。人妻への恋を正当化しようとする、大胆でおどけた論法が民謡らしい。
相聞の一首である。人妻への恋をうたう歌は東歌に少なくなく、本巻の第三千五百三十九首、第三千五百四十一首、第三千五百五十七首にも見える。
作者は未詳である。東歌は東国の人々の間でうたわれた歌とされ、方言をまじえた素朴でおおらかな表現が特色である。
初句「人妻と」は人妻だといっての意で、主題を示して始まる。
二句「あぜかそを言はむ」の「あぜか」はなぜの意の東国方言で、そんなことを言うのかと問う。
三句「しからばか」の「しからばか」はそれならばの意である。
四句「隣の衣を」は隣の家の衣をいい、人妻をたとえる。
結句「借りて着なはも」の「着なはも」は着ないのかの意の東国方言で、反問して結ぶ。
しからば:それならば
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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しまらくは寝つつもあらむを夢のみに もとな見えつつ我を音し泣くる
- 次の歌
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左努山に打つや斧音の遠かども 寝もとか子ろが面に見えつる