恋ひつつも居らむとすれど遊布麻山
隠れし君を思ひかねつも
- 歌の意味
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恋しく思いながらも耐えていようとするけれど、遊布麻山の向こうに隠れてしまったあなたを、思いこらえきれないことだ。
- 鑑賞
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巻第十四 東歌 3475
詞書は前の歌に続き「相聞」
恋しさに耐えてじっとしていようと思うが、遊布麻山の向こうに姿が隠れてしまった夫を思うと、こらえきれないとうたう女性の歌である。山に隔てられた別れの悲しみが、抑えようとしても抑えきれない心として表されている。
相聞の一首である。遊布麻山は所在未詳の山とされる。山に隠れて見えなくなる恋人を詠む点で、常陸国歌の第三千三百八十九首の「筑波山隠れぬほとに」と対応する。
作者は未詳である。東歌は東国の人々の間でうたわれた歌とされ、方言をまじえた素朴でおおらかな表現が特色である。
初句「恋ひつつも」は恋しく思いながらもの意で、「つつ」は継続を表す。
二句「居らむとすれど」は耐えていようとするけれどの意で、「ど」は逆接である。
三句「遊布麻山」は所在未詳の山で、旅立った夫を隠す山として現れる。
四句「隠れし君を」は山の向こうに隠れてしまったあなたの意である。
結句「思ひかねつも」の「かね」はできないの意で、思いをこらえきれないことよと「つも」の詠嘆で結ぶ。
おもひかぬ:思いをこらえきれない
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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植ゑ竹の本さへ響み出でて去なば いづし向きてか妹が嘆かむ
- 次の歌
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うべ子なは我ぬに恋ふなも立と月の ぬがなへ行けば恋しかるなも