うべ子なは我ぬに恋ふなも立と月の
ぬがなへ行けば恋しかるなも
- 歌の意味
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なるほどあの子は私を恋しく思っているだろう。新しい月が立ち、月日が流れて行くので恋しがっているだろう。
- 鑑賞
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巻第十四 東歌 3476
詞書は前の歌に続き「相聞」
月が改まり日数が重なって行くので、ふるさとの恋人も今ごろ自分を恋しがっているにちがいないと思いやる旅の歌である。方言が多く用いられ、遠く離れた相手の心を推し量る素朴な情が表れている。
相聞の一首である。左注に或本の歌の末句として「ぬがなへ行けど我ぬ行がのへば」を記す。
作者は未詳である。東歌は東国の人々の間でうたわれた歌とされ、方言をまじえた素朴でおおらかな表現が特色である。
初句「うべ子なは」の「うべ」はなるほど、「子な」は恋人を親しんで呼ぶ東国方言である。
二句「我ぬに恋ふなも」の「我ぬ」は「我」、「なも」は「らむ」にあたる東国方言で、私を恋しく思っているだろうの意である。
三句「立と月の」の「立と月」は「立つ月」の東国方言で、新しく改まる月をいう。
四句「ぬがなへ行けば」の「ぬがなへ」は流れ過ぎて行く意の東国方言とされる。
結句「恋しかるなも」は恋しいだろうの意で、二句と同じ「なも」で結び、上の句と下の句が呼応する。
うべ:なるほど、もっともなことに
こな:恋人を親しんで呼ぶ東国方言
たとつく:「立つ月」の東国方言
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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恋ひつつも居らむとすれど遊布麻山 隠れし君を思ひかねつも
- 次の歌
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東路の手児の呼坂越えて去なば 我れは恋ひむな後は逢ひぬとも