安可見山草根刈り除け逢はすがへ
争ふ妹しあやに愛しも
- 歌の意味
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安可見山の草の根を刈り払って逢ってくれたのに、なお拒むようにする恋人が、たまらなくいとしい。
- 鑑賞
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巻第十四 東歌 3479
詞書は前の歌に続き「相聞」
安可見山の草を刈り払って寝所を作り逢ってくれたのに、なお恥じらって拒むそぶりをする恋人がたまらなくいとしいとうたう歌である。娘の恥じらいとそれをいとおしむ男の心が、野の逢瀬の場面に生き生きと描かれている。
相聞の一首である。安可見山は下野国の、現在の栃木県佐野市赤見町付近の山とする説がある。
作者は未詳である。東歌は東国の人々の間でうたわれた歌とされ、方言をまじえた素朴でおおらかな表現が特色である。
初句「安可見山」は所在未詳の山で、佐野市赤見町付近とする説がある。
二句「草根刈り除け」は草の根を刈り払ってのことで、野に寝所をこしらえることをいう。
三句「逢はすがへ」の「がへ」は「ものを」にあたる東国方言とされ、逢ってくれたのにの意である。
四句「争ふ妹し」の「争ふ」は拒む、さからう意で、「し」は強意である。
結句「あやに愛しも」の「あやに」は無性に、「愛しも」はいとしいことよの意である。
かりそく:刈り払う
あらそふ:拒む、さからう
- 出典
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万葉集
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遠しとふ故奈の白嶺に逢ほしだも 逢はのへしだも汝にこそ寄され
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大君の命畏み愛し妹が 手枕離れ夜立ち来のかも