昼解けば解けなへ紐の我が背なに
相寄るとかも夜解けやすけ
- 歌の意味
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昼に解こうとしても解けない紐が、いとしい人に寄り添おうとするのか、夜には解けやすいことだ。
- 鑑賞
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巻第十四 東歌 3483
詞書は前の歌に続き「相聞」
昼間はなかなか解けない紐が、夜になると解けやすいのは、恋人に寄り添おうとしているからだろうかとうたう女性の歌である。紐が自然に解けるのは恋人に逢える前兆とされた俗信を背景に、ほほえましい恋心が表されている。
相聞の一首である。紐が解けるのを恋人に逢える前兆とする俗信は、万葉集にしばしば見られる。
作者は未詳である。東歌は東国の人々の間でうたわれた歌とされ、方言をまじえた素朴でおおらかな表現が特色である。
初句「昼解けば」は昼に解こうとすればの意で、結句の「夜」と対をなす。
二句「解けなへ紐の」の「なへ」は打消の東国方言で、解けない紐の意である。
三句「我が背なに」の「背な」は恋人を親しんで呼ぶ東国方言である。
四句「相寄るとかも」は寄り添おうとするのかの意で、「かも」は疑問である。
結句「夜解けやすけ」の「やすけ」は「やすき」の東国方言で、夜は解けやすいと初句の「昼」と対比して結ぶ。
せな:夫や恋人を親しんで呼ぶ東国方言
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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韓衣裾のうち交へ逢はねども 異しき心を我が思はなくに
- 次の歌
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麻苧らを麻笥にふすさに績まずとも 明日着せさめやいざせ小床に