剣大刀身に添ふ妹を取り見がね
音をぞ泣きつる手児にあらなくに
- 歌の意味
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いつも身に寄り添っていた妻の世話をすることができずに、声をあげて泣いたことだ。幼な子でもないのに。
- 鑑賞
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巻第十四 東歌 3485
詞書は前の歌に続き「相聞」
いつも身に寄り添っていた妻の世話もできないまま別れることになり、子どものように声をあげて泣いてしまったとうたう歌である。妻の死に際しての挽歌的な歌とみる説もあり、大人の男の深い悲しみがにじんでいる。
相聞の一首である。剣や大刀が身に添うことから「身に添ふ」にかかる枕詞として用いられる。
作者は未詳である。東歌は東国の人々の間でうたわれた歌とされ、方言をまじえた素朴でおおらかな表現が特色である。
初句「剣大刀」は剣と大刀で、身に帯びることから「身に添ふ」にかかる枕詞である。
二句「身に添ふ妹を」は身に寄り添う妻をいう。
三句「取り見がね」の「取り見」は世話をすること、看病すること、「がね」は「かね」の東国方言である。
四句「音をぞ泣きつる」の「ぞ」は係助詞で、連体形「つる」と呼応する。
結句「手児にあらなくに」の「手児」は幼い子で、子どもでもないのにと自嘲して結ぶ。
つるぎたち:「身に添ふ」などにかかる枕詞
とりみる:世話をする、看病する
てご:幼い子
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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麻苧らを麻笥にふすさに績まずとも 明日着せさめやいざせ小床に
- 次の歌
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愛し妹を弓束並べ巻きもころ男の こととし言はばいや勝たましに