梓弓末に玉巻きかくすすぞ
寝なななりにし奥をかぬかぬ
- 歌の意味
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梓弓の末に玉を巻いて大切にするように、こうして大事にしているうちに、共寝をしないままになってしまった。先々のことを気にかけてばかりいて。
- 鑑賞
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巻第十四 東歌 3487
詞書は前の歌に続き「相聞」
梓弓の弓末に玉を巻いて大切にするように、恋人を大事にしてばかりいるうちに、先のことを案じて共寝もしないままになってしまったと悔やむ歌である。慎重すぎた恋への後悔が表されている。
相聞の一首である。上野国歌の第三千四百十首の「奥をなかねそまさかしよかば」と同じく、「奥」すなわち先々を案じる恋を詠む。
作者は未詳である。東歌は東国の人々の間でうたわれた歌とされ、方言をまじえた素朴でおおらかな表現が特色である。
初句「梓弓」は梓の木で作った弓で、「末」にかかる枕詞である。
二句「末に玉巻き」は弓末に玉を巻いて飾ることで、大切にすることをたとえる。初句と二句が序詞となる。
三句「かくすすぞ」の「かくすす」はこのようにしつつの意とされ、「ぞ」は係助詞である。
四句「寝なななりにし」の「寝なな」は寝ないでの意の東国方言で、共寝しないままになったことをいう。
結句「奥をかぬかぬ」の「奥」は将来、「かぬかぬ」はあれこれ気にかけての意で、第三千四百十首の「奥をなかねそ」と同じ発想である。
あづさゆみ:「末」などにかかる枕詞
かぬ:気にかける、予期する
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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愛し妹を弓束並べ巻きもころ男の こととし言はばいや勝たましに
- 次の歌
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生ふしもとこの本山のましばにも 告らぬ妹が名かたに出でむかも