生ふしもとこの本山のましばにも
告らぬ妹が名かたに出でむかも
- 歌の意味
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生い茂る若枝のこの本山の柴のように、しばしばも口にしなかった恋人の名が、占いの形に出てしまうのだろうか。
- 鑑賞
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巻第十四 東歌 3488
詞書は前の歌に続き「相聞」
本山の柴の「しば」から「しばしば」を導き、決して口にしなかった恋人の名が占いに現れてしまうのではと案じる歌である。秘めた恋が占いによって露見することへの不安が表されている。
相聞の一首である。武蔵国歌の第三千三百七十四首「武蔵野に占部肩焼きまさでにも告らぬ君が名占に出にけり」と同じく、占いに秘めた名が現れることをうたう。
作者は未詳である。東歌は東国の人々の間でうたわれた歌とされ、方言をまじえた素朴でおおらかな表現が特色である。
初句「生ふしもと」の「しもと」は細く若い枝で、生い茂る若枝の意である。
二句「この本山の」の「本山」は人里に近い山とされる。
三句「ましばにも」の「ましば」は柴で、「しば」の音から「しばしば」の意を響かせる。初句からここまでが序詞である。
四句「告らぬ妹が名」は口にしなかった恋人の名の意で、第三千三百七十四首の「告らぬ君が名」と対応する。
結句「かたに出でむかも」の「かた」は占いに現れる形、「む」は推量、「かも」は疑問である。
しもと:細く若い枝
ましば:柴。「しばしば」の意を響かせる
かた:占いに現れる形
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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梓弓末に玉巻きかくすすぞ 寝なななりにし奥をかぬかぬ
- 次の歌
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梓弓欲良の山辺の茂かくに 妹ろを立ててさ寝処払ふも