梓弓欲良の山辺の茂かくに
妹ろを立ててさ寝処払ふも
- 歌の意味
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欲良の山辺の草木の茂ったところに恋人を立たせておいて、寝る所を払い清めることだ。
- 鑑賞
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巻第十四 東歌 3489
詞書は前の歌に続き「相聞」
欲良の山辺の茂みに恋人を待たせ、共寝をする場所の草を払って整える男の姿をうたった歌である。野での逢瀬の具体的な情景が、大らかに描かれている。
相聞の一首である。欲良は所在未詳の地名で、信濃国の地名とする説がある。前歌の第三千四百八十七首と同じく「梓弓」の初句で始まる。
作者は未詳である。東歌は東国の人々の間でうたわれた歌とされ、方言をまじえた素朴でおおらかな表現が特色である。
初句「梓弓」は梓の木で作った弓で、弓を引き寄せることから「欲良」にかかる枕詞である。第三千四百八十七首と同じ初句である。
二句「欲良の山辺の」は欲良の山のほとりで、所在未詳の地名である。
三句「茂かくに」の「茂かく」は茂っているところの意である。
四句「妹ろを立てて」の「妹ろ」の「ろ」は親しみを表す東国方言の接尾語で、恋人を立たせておいての意である。
結句「さ寝処払ふも」の「さ寝処」は共寝をする所、「払ふ」は草などを払い清めることで、「も」は詠嘆である。
あづさゆみ:「よら」などにかかる枕詞
さねど:共寝をする所
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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生ふしもとこの本山のましばにも 告らぬ妹が名かたに出でむかも
- 次の歌
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梓弓末は寄り寝むまさかこそ 人目を多み汝をはしに置けれ