梓弓末は寄り寝むまさかこそ
人目を多み汝をはしに置けれ
- 歌の意味
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将来はきっと寄り添って寝よう。今こそ人目が多いので、お前を中途半端な立場に置いているのだ。
- 鑑賞
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巻第十四 東歌 3490
詞書は前の歌に続き「相聞」
いずれは寄り添って寝ようが、今は人目が多いのでお前を中途半端なところに置いているのだと恋人に語りかける歌である。将来への約束と今のもどかしさが、「末」と「まさか」の対比で示されている。
本文に「柿本朝臣人麻呂歌集に出づ」と注がある。前歌に続き「梓弓」で始まり、本巻では第三千四百八十七首から三首が「梓弓」を初句とする。
作者は未詳である。東歌は東国の人々の間でうたわれた歌とされ、方言をまじえた素朴でおおらかな表現が特色である。
初句「梓弓」は「末」にかかる枕詞で、第三千四百八十七首、第三千四百八十九首と同じ初句である。
二句「末は寄り寝む」の「末」は将来、「寄り寝む」は寄り添って寝ようの意である。二句切れである。
三句「まさかこそ」の「まさか」は今、現在で、二句の「末」と対をなす。「こそ」は係助詞で結句と呼応する。
四句「人目を多み」の「を…み」は理由で、人目が多いのでの意である。
結句「汝をはしに置けれ」の「はし」は中途半端の意で、上野国歌の第三千四百八首の「はしなる子らし」と同じ語である。「置けれ」は「こそ」の結びの已然形である。
まさか:今、現在
はし:中途半端、どっちつかず
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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梓弓欲良の山辺の茂かくに 妹ろを立ててさ寝処払ふも
- 次の歌
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柳こそ伐れば生えすれ世の人の 恋に死なむをいかにせよとぞ