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柳こそ伐れば生えすれ世の人の
恋に死なむをいかにせよとぞ

歌の意味
柳こそ伐ってもまた生えてくるが、この世の人が恋に死んでしまうのを、どうしろというのか。
鑑賞
巻第十四 東歌 3491

詞書は前の歌に続き「相聞」
 柳は伐ってもまた芽を出すが、人は恋に死んでしまえば二度と生き返らない、それをどうしろというのかと訴える女性の歌である。柳の生命力と人の命のはかなさを対比し、恋の苦しさを強く表している。
 相聞の一首である。次歌も柳を詠み、柳の歌が二首並んでいる。
 作者は未詳である。東歌は東国の人々の間でうたわれた歌とされ、方言をまじえた素朴でおおらかな表現が特色である。

 初句「柳こそ」の「こそ」は係助詞で、已然形「すれ」と呼応する。柳と人とを対比する起点である。
 二句「伐れば生えすれ」は伐れば生えてくるの意で、「こそ」の結びとして已然形で切れ、逆接的に下へ続く。
 三句「世の人の」はこの世の人で、伐られても生える柳と対比される。
 四句「恋に死なむを」は恋に死んでしまうのをの意で、「を」は逆接である。
 結句「いかにせよとぞ」の「とぞ」はというのかの意で、相手に訴えて結ぶ。

はゆ:生える
出典
万葉集
前の歌
梓弓末は寄り寝むまさかこそ 人目を多み汝をはしに置けれ
次の歌
小山田の池の堤にさす柳 成りも成らずも汝と二人はも