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小山田の池の堤にさす柳
成りも成らずも汝と二人はも

歌の意味
山の田の池の堤に挿す柳が根づいても根づかなくても、恋が成就しても成就しなくても、お前と二人でいたい。
鑑賞
巻第十四 東歌 3492

詞書は前の歌に続き「相聞」
 池の堤に挿し木した柳が根づくかどうかわからないように、恋が実るかどうかはわからないが、お前と二人でありたいとうたう歌である。結果を問わず共にいたいという、ひたむきな恋の決意が表されている。
 相聞の一首で、前歌に続き柳を詠む。前歌が伐っても生える柳と人の死を対比するのに対し、本歌は挿し木の柳を二人の恋の行方に重ねている。
 作者は未詳である。東歌は東国の人々の間でうたわれた歌とされ、方言をまじえた素朴でおおらかな表現が特色である。

 初句「小山田の」は山あいの田で、「小」は接頭語である。
 二句「池の堤に」は池の堤の上の意である。
 三句「さす柳」は挿し木する柳で、前歌の「柳」を受ける。初句からここまでが序詞である。
 四句「成りも成らずも」は根づいても根づかなくても、恋が成就してもしなくてもの意である。
 結句「汝と二人はも」の「はも」は詠嘆で、お前と二人でいたいと結ぶ。

をやまだ:山あいの田
さす:挿し木する
出典
万葉集
前の歌
柳こそ伐れば生えすれ世の人の 恋に死なむをいかにせよとぞ
次の歌
遅速も汝をこそ待ため向つ峰の 椎の小やで枝の逢ひは違はじ