海原の根柔ら小菅あまたあれば
君は忘らす我れ忘るれや
- 歌の意味
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海辺の根の柔らかな小菅のように、女がたくさんいるので、あなたは私をお忘れになる。でも私があなたを忘れるだろうか。
- 鑑賞
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巻第十四 東歌 3498
詞書は前の歌に続き「相聞」
海辺に根の柔らかな小菅がたくさん生えているように、あなたには多くの女性がいるから私を忘れるだろうが、私は決して忘れないとうたう女性の歌である。相手の移り気への恨みと、変わらぬ自分の思いとが対比されている。
相聞の一首である。小菅を女性にたとえる譬喩は、雑歌の第三千四百四十五首の「玉小菅」にも見られる。
作者は未詳である。東歌は東国の人々の間でうたわれた歌とされ、方言をまじえた素朴でおおらかな表現が特色である。
初句「海原の」は海辺の広がりをいう。
二句「根柔ら小菅」は根の柔らかな小菅で、多くの女性をたとえる。
三句「あまたあれば」は数多くあるのでの意で、字余りの句である。
四句「君は忘らす」の「忘らす」は忘れなさるの意で、四句切れである。
結句「我れ忘るれや」の「や」は反語で、私が忘れるだろうか、いや忘れないと結ぶ。四句の「君」と結句の「我れ」が対をなす。
ねやはらこすげ:根の柔らかな小菅
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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川上の根白高萱あやにあやに さ寝さ寝てこそ言に出にしか
- 次の歌
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岡に寄せ我が刈る萱のさね萱の まことなごやは寝ろとへなかも