安波峰ろの峰ろ田に生はるたはみづら
引かばぬるぬる我を言な絶え
- 歌の意味
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安波の峰の山田に生えているたわみづらのように、引けばすなおに寄って来て、私との便りを絶やさないでおくれ。
- 鑑賞
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巻第十四 東歌 3501
詞書は前の歌に続き「相聞」
安波の峰の山田に生える蔓草のように、引けばするすると寄って来て、私への言葉を絶やさないでほしいと願う歌である。武蔵国歌、上野国歌の類歌と同じく、蔓草に素直な心を求める民謡である。
相聞の一首である。安波は安房国(現在の千葉県南部)とする説がある。武蔵国歌の第三千三百七十八首、上野国歌の第三千四百十六首と同じ「引かばぬるぬる」の型をもち、同じ民謡が各地に広まっていたことがわかる。
作者は未詳である。東歌は東国の人々の間でうたわれた歌とされ、方言をまじえた素朴でおおらかな表現が特色である。
初句「安波峰ろの」の「安波」は地名で、安房国とする説がある。「峰ろ」は峰の東国方言である。
二句「峰ろ田に生はる」は峰の山田に生えているの意で、「生はる」は「生ふる」の東国方言である。字余りの句である。
三句「たはみづら」は蔓草の一種とされる。初句からここまでが序詞である。
四句「引かばぬるぬる」はするすると寄って来るの意で、第三千三百七十八首と同じ句である。
結句「我を言な絶え」の「な絶え」は絶やさないでの意で、第三千三百八十首の「言な絶えそね」と同じ発想である。
をろた:峰の山田
たはみづら:蔓草の一種とされる
- 出典
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万葉集
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紫草は根をかも終ふる人の子の うら愛しけを寝を終へなくに
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我が目妻人は放くれど朝顔の としさへこごと我は離るがへ