栲衾白山風の寝なへども
子ろがおそきのあろこそえしも
- 歌の意味
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白山から吹く風が寒くて眠れないけれども、あの子の上着があることがうれしいことだ。
- 鑑賞
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巻第十四 東歌 3509
詞書は前の歌に続き「相聞」
白山から吹きおろす冷たい風で眠れないが、恋人がくれた上着があるのがうれしいとうたう旅の歌である。寒さの中で恋人の贈り物に温もりを感じる心が表されている。
相聞の一首である。白山は加賀の白山とする説などがある。難解な語句が多く、解釈には諸説がある。
作者は未詳である。東歌は東国の人々の間でうたわれた歌とされ、方言をまじえた素朴でおおらかな表現が特色である。
初句「栲衾」は白い夜具で、「白」にかかる枕詞である。
二句「白山風の」は白山から吹く風で、加賀の白山とする説がある。
三句「寝なへども」の「なへ」は打消の東国方言で、寝られないけれどもの意である。
四句「子ろがおそきの」の「おそき」は上着、羽織る衣とされる。
結句「あろこそえしも」の「あろ」は「ある」の東国方言、「えし」は「よし」の東国方言で、うれしいことよと結ぶ。
たくぶすま:白い夜具。「白」にかかる枕詞
おそき:上着とされる
えし:「よし」の東国方言
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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芝付の御宇良崎なるねつこ草 相見ずあらば我れ恋ひめやも
- 次の歌
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み空行く雲にもがもな今日行きて 妹に言どひ明日帰り来む