み空行く雲にもがもな今日行きて
妹に言どひ明日帰り来む
- 歌の意味
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空を行く雲であったらなあ。今日行っていとしい人と語り合い、明日には帰って来よう。
- 鑑賞
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巻第十四 東歌 3510
詞書は前の歌に続き「相聞」
空を行く雲になれたら、今日のうちに恋人のもとへ行って語り合い、明日には帰って来られるのにと願う旅人の歌である。雲の自由さへの憧れに、遠く離れた恋人に逢いたい切実な思いが表されている。
相聞の一首である。本歌から第三千五百二十首まで雲を詠む歌が続き、雲の一連とも言うべき配列となっている。
作者は未詳である。東歌は東国の人々の間でうたわれた歌とされ、方言をまじえた素朴でおおらかな表現が特色である。
初句「み空行く」の「み」は接頭語で、大空を行くの意である。雲の一連の最初の句である。
二句「雲にもがもな」の「もがもな」は願望を表し、雲であったらなあの意である。二句切れである。
三句「今日行きて」は今日行っての意で、結句の「明日」と対をなす。
四句「妹に言どひ」の「言どひ」は語り合うことである。
結句「明日帰り来む」は明日帰って来ようの意で、「む」は意志である。三句の「今日」と対をなして結ぶ。
ことどふ:語り合う
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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栲衾白山風の寝なへども 子ろがおそきのあろこそえしも
- 次の歌
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青嶺ろにたなびく雲のいさよひに 物をぞ思ふ年のこのころ