白雲の絶えにし妹をあぜせろと
心に乗りてここば愛しけ
- 歌の意味
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白雲が途切れるように仲の絶えてしまった恋人を、どうしろというのか、心にかかってこんなにもいとしい。
- 鑑賞
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巻第十四 東歌 3517
詞書は前の歌に続き「相聞」
白雲が途切れるように仲が絶えてしまった恋人なのに、どうしろというのか、心にかかって離れずこんなにもいとしいとうたう歌である。終わった恋を断ち切れない心の苦しさが表されている。
相聞の一首で、雲の一連の八首目である。四句「心に乗りて」は第三千四百六十六首の「心の緒ろに乗りて愛しも」と同じ発想である。
作者は未詳である。東歌は東国の人々の間でうたわれた歌とされ、方言をまじえた素朴でおおらかな表現が特色である。
初句「白雲の」は「絶え」にかかる枕詞で、白雲が途切れることから続く。伊豆国歌第三千三百六十首の或本の歌も「白雲の絶えつつも」と始まる。
二句「絶えにし妹を」は仲が絶えてしまった恋人をいう。
三句「あぜせろと」の「あぜ」はどうの意の東国方言、「せろ」は「せよ」の東国方言で、どうしろというのかの意である。
四句「心に乗りて」は心に乗ってかかる意で、第三千四百六十六首と同じ発想である。
結句「ここば愛しけ」の「ここば」はこんなにも、「愛しけ」は「愛しき」の東国方言である。
ここば:こんなにも、たいそう
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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対馬の嶺は下雲あらなふ可牟の嶺に たなびく雲を見つつ偲はも
- 次の歌
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岩の上にいかかる雲のかのまづく 人ぞおたはふいざ寝しめとら