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まを薦の節の間近くて逢はなへば
沖つま鴨の嘆きぞ我がする

歌の意味
薦の節の間が近いように近くにいながら逢えないので、沖の鴨のように嘆きを私はすることだ。
鑑賞
巻第十四 東歌 3524

詞書は前の歌に続き「相聞」
 薦の節の間ほど近くにいながら逢えないので、沖に浮かぶ鴨のように嘆いているとうたう歌である。近くて遠い恋の苦しさが、水鳥の長い息づかいに重ねられている。
 相聞の一首である。第三千四百六十四首と同じく「まを薦の」の句で始まり、鶴に続いて鴨を詠む。本歌から鴨などの水鳥の歌がしばらく続く。
 作者は未詳である。東歌は東国の人々の間でうたわれた歌とされ、方言をまじえた素朴でおおらかな表現が特色である。

 初句「まを薦の」は真菰で、「節」を導く枕詞的な用法である。第三千四百六十四首と同じ初句である。
 二句「節の間近くて」の「節の間」は節と節の間で、間が近いことから近くにいることをいう。
 三句「逢はなへば」の「なへ」は打消の東国方言で、逢えないのでの意である。
 四句「沖つま鴨の」は沖にいる鴨で、水に潜って長い息をつくことから「嘆き」を導く。
 結句「嘆きぞ我がする」の「嘆き」は長い息をつくこと、「ぞ」の結びとして連体形「する」で結ぶ。

ふ:節
なげき:長い息をつくこと、嘆き
出典
万葉集
前の歌
坂越えて安倍の田の面に居る鶴の ともしき君は明日さへもがも
次の歌
水久君野に鴨の這ほのす子ろが上に 言緒ろ延へていまだ寝なふも