沼二つ通は鳥が巣我が心
二行くなもとなよ思はりそね
- 歌の意味
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二つの沼を行き来する鳥の巣のように、私の心が二つに分かれて行くだろうなどと、決して思わないでおくれ。
- 鑑賞
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巻第十四 東歌 3526
詞書は前の歌に続き「相聞」
二つの沼を行き来する鳥のように、自分の心が二人の間を行き来するなどとは決して思わないでほしいと訴える歌である。浮気を疑う相手に、ひとすじの心を誓っている。
相聞の一首で、水鳥の歌が続く。難解な語を含み、解釈には諸説がある。
作者は未詳である。東歌は東国の人々の間でうたわれた歌とされ、方言をまじえた素朴でおおらかな表現が特色である。
初句「沼二つ」は二つの沼の意で、二人の女性をたとえる。
二句「通は鳥が巣」の「通は」は「通ふ」の東国方言で、二つの沼を行き来する鳥の巣をいう。初句と二句が序詞となる。
三句「我が心」は私の心の意である。
四句「二行くなもと」の「なも」は「らむ」の東国方言で、二つに分かれて行くだろうの意である。
結句「なよ思はりそね」の「な…そね」は禁止の願いで、決して思わないでと結ぶ。
かよは:「通ふ」の東国方言
なも:「らむ」にあたる東国方言
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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水久君野に鴨の這ほのす子ろが上に 言緒ろ延へていまだ寝なふも
- 次の歌
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沖に住も小鴨のもころ八尺鳥 息づく妹を置きて来のかも