春の野に草食む駒の口やまず
我を偲ふらむ家の子ろはも
- 歌の意味
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春の野で草を食べる馬の口が休まないように、絶えず私を思って口にしているだろう、家のいとしい人は。
- 鑑賞
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巻第十四 東歌 3532
詞書は前の歌に続き「相聞」
春の野で草を食む馬の口が絶えず動いているように、家に残した妻も絶えず自分のことを口にしているだろうと思いやる旅の歌である。のどかな春の野の情景に、遠い家族への思いが重ねられている。
相聞の一首である。本歌から馬を詠む歌がまとまって続く。旅に出た者の望郷の歌とされる。
作者は未詳である。東歌は東国の人々の間でうたわれた歌とされ、方言をまじえた素朴でおおらかな表現が特色である。
初句「春の野に」は春の野で、のどかな景を示す。
二句「草食む駒の」の「駒」は馬で、本歌から馬の歌が続く。初句と二句が序詞となる。
三句「口やまず」は口が休まずにの意で、馬が草を食むことと妻が噂することを重ねる。
四句「我を偲ふらむ」の「偲ふ」は思い慕うこと、「らむ」は現在推量である。
結句「家の子ろはも」の「はも」は詠嘆で、家の妻を思いやって結ぶ。
はむ:食べる
しのふ:思い慕う
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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妹をこそ相見に来しか眉引きの 横山辺ろの獣なす思へる
- 次の歌
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人の子の愛しけしだは浜洲鳥 足悩む駒の惜しけくもなし