赤駒が門出をしつつ出でかてに
せしを見立てし家の子らはも
- 歌の意味
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赤い馬が門出をしながら出かねていたのを見送ってくれた家の妻は、今ごろどうしているだろう。
- 鑑賞
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巻第十四 東歌 3534
詞書は前の歌に続き「相聞」
赤い馬さえ門を出かねてためらっていた旅立ちの日、その様子を見送ってくれた家の妻を思い出す旅の歌である。名残を惜しむ馬の姿に、旅立つ者自身の別れのつらさが重ねられている。
相聞の一首で、馬の歌が続く。結句は第三千五百三十二首の「家の子ろはも」と同じく家の妻を思いやる形で結ぶ。
作者は未詳である。東歌は東国の人々の間でうたわれた歌とされ、方言をまじえた素朴でおおらかな表現が特色である。
初句「赤駒が」は赤毛の馬で、本巻では第三千五百三十六首、第三千五百四十首にも「赤駒」が詠まれる。
二句「門出をしつつ」は門を出て旅立つことで、「つつ」は継続である。
三句「出でかてに」の「かてに」はできずにの意で、出かねていたことをいう。
四句「せしを見立てし」は出かねていたのを見送ったの意である。
結句「家の子らはも」の「はも」は詠嘆で、第三千五百三十二首の「家の子ろはも」と同じく家の妻を思いやって結ぶ。
あかごま:赤毛の馬
みたつ:見送る
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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人の子の愛しけしだは浜洲鳥 足悩む駒の惜しけくもなし
- 次の歌
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己が命をおほにな思ひそ庭に立ち 笑ますがからに駒に逢ふものを