あずへから駒の行ごのす危はとも
人妻子ろをまゆかせらふも
- 歌の意味
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崖のあたりを馬が行くように危なくても、人妻であるあの子を、目にかけていることだ。
- 鑑賞
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巻第十四 東歌 3541
詞書は前の歌に続き「相聞」
崖のほとりを馬が行くように危うくても、人妻である女性から目を離せないとうたう歌である。第三千五百三十九首と同じく、許されない恋の危うさと、抑えきれない思いとが表されている。
相聞の一首で、馬の歌が続く。第三千五百三十九首と対をなす類歌で、結句は難解で訓義未詳とされる。
作者は未詳である。東歌は東国の人々の間でうたわれた歌とされ、方言をまじえた素朴でおおらかな表現が特色である。
初句「あずへから」の「あずへ」は崖のほとりとされ、第三千五百三十九首の「あず」と同じ語を含む。
二句「駒の行ごのす」の「行ご」は「行く」、「のす」は「なす」の東国方言で、馬が行くようにの意である。初句と二句が序詞となる。
三句「危はとも」の「危は」は「危ふく」の東国方言で、危なくてもの意である。
四句「人妻子ろを」は第三千五百三十九首の四句と同じ句である。
結句「まゆかせらふも」は難解な句で、目にかけている、見つめているの意とする説がある。
あずへ:崖のほとりとされる
のす:「なす」の東国方言で、のように
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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左和多里の手児にい行き逢ひ赤駒が 足掻きを速み言問はず来ぬ
- 次の歌
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さざれ石に駒を馳させて心痛み 我が思ふ妹が家のあたりかも