むろがやの都留の堤の成りぬがに
子ろは言へどもいまだ寝なくに
- 歌の意味
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都留の堤が出来上がるように、二人の仲は成り立つばかりだとあの子は言うけれど、まだ共寝もしていないのに。
- 鑑賞
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巻第十四 東歌 3543
詞書は前の歌に続き「相聞」
都留の堤が完成に近づくように、二人の仲は今にも成就するばかりだと恋人は言うが、実際にはまだ共寝もしていないとぼやく歌である。口先ばかりで進まない恋へのもどかしさが表されている。
相聞の一首である。都留は甲斐国都留郡、現在の山梨県都留市付近とされる。
作者は未詳である。東歌は東国の人々の間でうたわれた歌とされ、方言をまじえた素朴でおおらかな表現が特色である。
初句「むろがやの」は「都留」にかかる枕詞とされるが、語義は未詳である。
二句「都留の堤の」は都留の堤で、甲斐国の地名とされる。初句と二句が序詞となる。
三句「成りぬがに」の「がに」は今にもしそうにの意で、堤が出来上がるように仲が成り立つばかりだという。
四句「子ろは言へども」はあの子は言うけれどの意で、「ども」は逆接である。
結句「いまだ寝なくに」の「なくに」は打消の詠嘆で、まだ共寝もしていないのにと結ぶ。
むろがやの:「都留」にかかる枕詞とされる
がに:今にもしそうに
- 出典
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万葉集
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さざれ石に駒を馳させて心痛み 我が思ふ妹が家のあたりかも
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あすか川下濁れるを知らずして 背ななと二人さ寝て悔しも