あすか川堰くと知りせばあまた夜も
率寝て来ましを堰くと知りせば
- 歌の意味
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あすか川をせき止めるように二人の仲が裂かれると知っていたなら、幾晩も共寝をして来たのに。せき止められると知っていたなら。
- 鑑賞
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巻第十四 東歌 3545
詞書は前の歌に続き「相聞」
あすか川がせき止められるように二人の仲が妨げられると前もって知っていたら、もっと幾晩も共寝をしておいたのにと悔やむ歌である。二句と結句で同じ句を繰り返し、悔しさを強く訴えている。
相聞の一首で、前歌に続き「あすか川」で始まる。前歌が相手の不実を悔やむのに対し、本歌は仲を裂かれたことを悔やむ。
作者は未詳である。東歌は東国の人々の間でうたわれた歌とされ、方言をまじえた素朴でおおらかな表現が特色である。
初句「あすか川」は前歌と同じ初句で、あすか川の歌が二首並ぶ。
二句「堰くと知りせば」の「堰く」は川をせき止めること、仲を裂かれることを重ねる。「せば」は反実仮想の条件である。
三句「あまた夜も」は幾晩もの意である。
四句「率寝て来ましを」の「率寝」は連れて寝ること、「まし」は反実仮想で、共寝をして来たのにの意である。
結句「堰くと知りせば」は二句をそのまま繰り返し、悔しさを強めて結ぶ。
せく:せき止める、仲を裂く
ゐぬ:連れて行って共に寝る
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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あすか川下濁れるを知らずして 背ななと二人さ寝て悔しも
- 次の歌
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青柳の張らろ川門に汝を待つと 清水は汲まず立ち処平すも