青柳の張らろ川門に汝を待つと
清水は汲まず立ち処平すも
- 歌の意味
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青柳が芽吹く川の渡り場であなたを待っていると、清水も汲まずに、立っている所を踏みならしてしまうことだ。
- 鑑賞
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巻第十四 東歌 3546
詞書は前の歌に続き「相聞」
青柳の芽吹く川の渡り場で恋人を待ちながら、水を汲みに来たことも忘れて、立っている地面を踏みならしてしまうとうたう女性の歌である。待ちわびて足踏みをする女の姿が、生き生きと描かれている。
相聞の一首である。雑歌の第三千四百四十三首と同じく「青柳の張りて」の発想を用い、春の柳の芽吹きを詠む。
作者は未詳である。東歌は東国の人々の間でうたわれた歌とされ、方言をまじえた素朴でおおらかな表現が特色である。
初句「青柳の」は芽吹いた柳で、第三千四百四十三首にも見える語である。
二句「張らろ川門に」の「張らろ」は「張れる」の東国方言で、芽吹いている意、「川門」は川の渡り場である。
三句「汝を待つと」はあなたを待つとての意で、字余りの句である。
四句「清水は汲まず」の「清水」は「せみど」と訓む東国方言で、水汲みに来たことを示す。
結句「立ち処平すも」の「立ち処」は立っている所、「平す」は踏みならすことで、「も」は詠嘆である。
かはと:川の渡り場
せみど:清水の東国方言
たちど:立っている所
- 出典
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万葉集
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あすか川堰くと知りせばあまた夜も 率寝て来ましを堰くと知りせば
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あぢの棲む須沙の入江の隠り沼の あな息づかし見ず久にして