まつが浦にさわゑうら立ちま人言
思ほすなもろ我が思ほのすも
- 歌の意味
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まつが浦に騒ぐ波が立つように、人の噂が立って、あなたは思い悩んでいるのだろう。私が思い悩んでいるように。
- 鑑賞
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巻第十四 東歌 3552
詞書は前の歌に続き「相聞」
まつが浦に騒がしく波が立つように噂が立ち、あなたも思い悩んでいるのだろう、私と同じようにとうたう女性の歌である。噂に悩む相手を思いやり、同じ苦しみを分かち合う心が表されている。
相聞の一首である。まつが浦は陸奥国の松が浦、現在の福島県相馬市付近とする説がある。難解な語を多く含み、解釈は定まらない部分がある。
作者は未詳である。東歌は東国の人々の間でうたわれた歌とされ、方言をまじえた素朴でおおらかな表現が特色である。
初句「まつが浦に」は所在未詳の浦で、陸奥とする説がある。
二句「さわゑうら立ち」の「さわゑ」は騒ぐ波、「うら立ち」は浦に立つことと心の騒ぐことを重ねる。字余りの句である。
三句「ま人言」の「ま人言」は世間の噂で、「ま」は接頭語である。
四句「思ほすなもろ」の「なもろ」は「らむ」にあたる東国方言とされ、思い悩んでいるだろうの意である。
結句「我が思ほのすも」の「のす」は「なす」の東国方言で、私が思うようにと結ぶ。
ひとごと:世間の噂
なもろ:「らむ」にあたる東国方言とされる
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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阿遅可麻の潟にさく波平瀬にも 紐解くものか愛しけを置きて
- 次の歌
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あじかまの可家の港に入る潮の こてたずくもが入りて寝まくも