妹が寝る床のあたりに岩ぐくる
水にもがもよ入りて寝まくも
- 歌の意味
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いとしい人の寝る床のあたりに、岩の間をくぐって流れる水であったらなあ。そうすれば入り込んで共寝をしよう。
- 鑑賞
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巻第十四 東歌 3554
詞書は前の歌に続き「相聞」
恋人の寝る床のあたりへ岩間をくぐって流れ込む水になれたら、入り込んで共寝ができるのにと願う歌である。どこへでも入り込める水への憧れに、恋人に近づきたい切ない思いが表れている。
相聞の一首である。前歌と同じ結句「入りて寝まくも」をもち、前歌の潮に対して本歌は岩間の水を詠む。第三千五百十首の「雲にもがもな」と同じく、自然のものになりたいという願いをうたう。
作者は未詳である。東歌は東国の人々の間でうたわれた歌とされ、方言をまじえた素朴でおおらかな表現が特色である。
初句「妹が寝る」は恋人の寝るの意で、恋人の床を示す。
二句「床のあたりに」は寝床のあたりにの意である。
三句「岩ぐくる」の「岩ぐくる」は岩の間をくぐって流れることをいう。
四句「水にもがもよ」の「もがもよ」は願望で、水であったらなあの意である。第三千五百十首の「雲にもがもな」と同じ発想である。
結句「入りて寝まくも」は前歌と同じ結句で、入り込んで共寝をしたいと結ぶ。
いはぐくる:岩の間をくぐって流れる
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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あじかまの可家の港に入る潮の こてたずくもが入りて寝まくも
- 次の歌
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麻久良我の許我の渡りの韓楫の 音高しもな寝なへ子ゆゑに