潮船の置かれば愛しさ寝つれば
人言繁し汝をどかもしむ
- 歌の意味
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潮船のように置いておけば恋しい、共寝をすれば人の噂がうるさい。お前をどうしたらよいのだろう。
- 鑑賞
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巻第十四 東歌 3556
詞書は前の歌に続き「相聞」
離れていれば恋しく、共寝をすれば噂がうるさいと、どちらにしても苦しい恋の板挟みをうたう歌である。第三千四百六十六首の「ま愛しみ寝れば言に出さ寝なへば心の緒ろに乗りて愛しも」と同じ発想で、対句の構成が共通する。
相聞の一首である。二句と四句を対句にして、恋の二つの苦しみを並べている。
作者は未詳である。東歌は東国の人々の間でうたわれた歌とされ、方言をまじえた素朴でおおらかな表現が特色である。
初句「潮船の」は海を行く船で、浜に置くことから「置く」にかかる枕詞である。雑歌の第三千四百五十首にも見える語である。
二句「置かれば愛し」は置いておけば恋しいの意で、四句と対をなす。二句切れである。
三句「さ寝つれば」は共寝をすればの意で、第三千四百六十六首の「寝れば言に出」と同じ発想である。
四句「人言繁し」は人の噂がうるさいの意で、二句と対句をなす。四句切れである。
結句「汝をどかもしむ」の「ど」は「なに」にあたる東国方言とされ、「しむ」は「せむ」の東国方言である。どうしたらよいかと結ぶ。
しほぶね:海を行く船。「置く」にかかる枕詞
ひとごと:世間の噂
- 出典
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万葉集
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麻久良我の許我の渡りの韓楫の 音高しもな寝なへ子ゆゑに
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悩ましけ人妻かもよ漕ぐ舟の 忘れはせなないや思ひ増すに