比多潟の礒のわかめの立ち乱え
我をか待つなも昨夜も今夜も
- 歌の意味
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比多潟の磯のわかめが波に乱れるように、心乱れて私を待っているだろうか。昨夜も今夜も。
- 鑑賞
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巻第十四 東歌 3563
詞書は前の歌に続き「相聞」
比多潟の磯のわかめが波に乱れるように、恋人は心を乱して自分を待っているだろうか、昨夜も今夜もとうたう歌である。前歌の玉藻に続き、海藻の揺れ動くさまに恋人の待つ姿が重ねられている。
相聞の一首である。比多潟は所在未詳の干潟である。結句は第三千五百五首と同じ「昨夜も今夜も」で、前歌と同じく恋人が自分を待つ姿を思いやる。
作者は未詳である。東歌は東国の人々の間でうたわれた歌とされ、方言をまじえた素朴でおおらかな表現が特色である。
初句「比多潟の」は所在未詳の干潟である。
二句「礒のわかめの」は磯に生えるわかめで、前歌の「玉藻」に続いて海藻を詠む。初句と二句が序詞となる。
三句「立ち乱え」の「乱え」は「乱れ」の東国方言で、心が乱れることを重ねる。
四句「我をか待つなも」の「なも」は「らむ」にあたる東国方言で、待っているだろうかの意である。
結句「昨夜も今夜も」は昨夜も今夜もの意で、第三千五百五首と同じ結句である。
わかめ:海藻の一種
なも:「らむ」にあたる東国方言
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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荒礒やに生ふる玉藻のうち靡き ひとりや寝らむ我を待ちかねて
- 次の歌
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古須気ろの浦吹く風のあどすすか 愛しけ子ろを思ひ過ごさむ